愛がなければ【49】〜変えない変わらない〜

【愛がなければ】はアメブロで40話まで書いてきました。過去に販売員で勤めてきた二十代〜三十代での経験と出会いを書いています。出会い、別れから学んだ事はたくさんありました。そんな過去の日々を綴っています。登場人物・出来事はフィクションを交えて書かせてもらっています。自分の経験、お友達からのお話、人から聞き伝えのお話、織り交ぜています。1つの作りお話として読んでもらえたら幸いです。

前回のあらすじ48話

部署での売上が下がり続け、私達社員は氷川販売長との面談になりました。その際に、仕入の方法について注意と指導を受けました。仕入の指示は山口さんに受けていました。しかし、面談で山口さんは個人のミスとして部下たちをかばってくれる事はありませんでした。

【49話】❍変えない変わらない

氷川販売長からの面談で指示をもらってからは、売場の社員は必ず発注数を山口さんに確認してもらうようにしていました。

売上が落ちていることもあり、セレクトする商品の数は減らしていました。しかし、山口さんがもっていたメーカーの発注数は変わらずに入ってくる状況で売場はパンク状態でした。山口さんは同じ商品を多く発注し、原価を安くしてもらうやり方だったので売場の雰囲気は単調で面白みに欠けていました。

社員たちでも感じていた事だったので、常連のお客さんはもっと思っておられたと思います。ずっと来てくれていたお客様にも、『最近、買いたい物がない』とハッキリと言われた事もありました。

上司である山口さんの考えに従うのが会社では当たり前なので、江藤さん、ゆりっち、私を含め誰も意見する事は出来ませんでした。

淡々と仕事をこなしていく中で、皆のやる気やファッションに対する楽しみは明らかに失われていると感じざるを得ない状況でした。

電話から約一週間後、レイの笠井さんが商談に来られました。笠井さんはまず、売場の現状を確認に来られました。見てまず…

笠井さん『スーパー(マーケット)の服売場だね…前任の方の時とは大違いだな…これはヤバイね😰』

私『…。この場所がレイの商品の場所になります。』

笠井さん『これだと、、うちの商品と分からないな。状況は分かりました。一度、山口さんと話をさせてもらいます。』

私は事務所にいた山口さんに声を掛けに行きました。

笠井さん『お久しぶりです😊山口さん、アパレルのこちらの部署に戻るのは何年ぶりかな』

山口さん『お久しぶりです😊笠井さんの事はこちらの売場を通った時に何度かお見かけしてました。』

私はその場から席を外しました。

笠井さん『後ほど、商談で😊』

私『はい、よろしくお願いします。』

笠井さんと山口さんは一時間ほど話していました。話を終えて、

笠井『モモさん、今から商談いけますか?』

私『はい、大丈夫です。』

笠井さん『うーん…難しいね。まあ、後で…』

笠井さんの表情は険しく…何となく山口さんとの会話の内容は予測ができました。

商談室に入ると、笠井さんは新作の商品をスーツケースから出し、商談準備をしていました。

笠井さん『話長くなってごめんね。…“今のやり方のままではヤバイよ”って事は率直に話させてもらったよ。だけど、山口さんは話は聞いていたけど。今のやり方は変えないだろうね😓無理だと思ったよ。』

笠井さん『僕のこういう予想は当たるんだ。言っておくよ。』

『御社との商品の取り引きの仕方も少し考えないといけないかな…』

『…さっ!切り替えて商談×2。話が長くなってすみません💦』

私も笠井さんのお話を聞きながら、そう遠くない将来に会社のアパレル部署の縮小もあるのではと感じていました。

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